ポストポリオでの障害年金の受給方法を解説します!

[記事公開日]2017/06/06
[最終更新日]2017/09/30


ポストポリオとはPPS、ポリオ後症候群、ポリオ後遅発性筋萎縮症という名称でも呼ばれている傷病です。

簡単に病気の特徴を説明すると、幼少期にポリオウイルスに感染した方が大人になった後に再度苦しめられるというものです。

このポストポリオによる障害もモチロン障害年金の対象となりますので申請のポイントを分かりやすく解説します!

 

ポストポリオ(PPS)とは?

ポストポリオ(PPS)とは子供の頃にポリオウイルスに罹患し、いったん回復して通常の社会生活を送っていたが、十数年後の相当期間が経過した後に、筋力の低下や筋肉・関節の痛みなどの症状が出るものをいいます。

よくあるのは、幼少期にポリオに罹患して症状が治まり、中高年になった頃に急に痛みなどが生じるケースです。

そして特徴的なのが「徐々に悪化するのではなく、急激に悪化する」点です。

一度ポリオに罹患して弱ってしまった体を、長年酷使することで一気に悪化してしまいます。

そのためポストポリオに該当する方は”頑張り屋さんが多い”と言われています。

 

ポリオとポストポリオの違い

ポリオと聞くとあまり、聞き慣れないかたも多いのではないでしょうか?

日本では、昭和35年に大流行したウイルスです。

ポリオウイルスが感染しても、ほとんどの方(90~95%)は症状が出なかったといいます。
しかし、一部の方には手や足などに麻痺があらわれ、その麻痺が一生残ってしまうことがあります。

ポリオワクチンの導入により現在の日本では新たな患者は出ていないとのことですが、海外で感染したまま気づかずに帰国するといったケースは現在でもあるようです。

ポストポリオの違いは?

ポリオは、成人が感染することもありますが、乳幼児に多いとされています。

経過は、ポリオウイルスに感染したことにより、風邪に似たような症状を呈し、数日後、突然上肢や下肢の麻痺が現れます。

多くの場合、病気としての明らかな症状はあらわれずに、知らない間に免疫ができますが、一部の方は先に述べた上肢や下肢に麻痺があらわれ、その麻痺が一生残ってしまうことがあります。

一方、ポストポリオはポリオウイルスに感染し、手足に後遺症を持ちながらも、日常生活を送っていたところ、

数十年経過後に40~50歳代になった頃に、新たな筋力の低下などの症状があらわれ、日常生活に支障をきたします。

 

ポストポリオの要件

障害年金では、「ポリオとポストポリオ」の取り扱いを区分しています。

ただポリオに罹患していればポストポリオ(PPS)に該当するという単純なものではありません。

平成18年2月17日に厚生労働省より出された庁保険発第0217001号によるとポストポリオ(PPS)とは以下の4つの要件すべてを満たしたものとされています。

 

ポストポリオに該当するための4つの要件

新たな筋力低下及び異常な筋の易疲労性があること

ポリオの既往歴があり、少なくとも一肢にポリオによる弛緩性運動麻痺が残存していること

ポリオ回復後ポストポリオを発症するまでに、症状の安定した期間が(概ね10年以上)あること

①の主たる原因が、他の疾患でないこと

ポストポリオと認められないケース

ポストポリオの要件にて記載された上記④の「筋力低下や易疲労性のある主たる原因が他の疾患でないこと」の具体的な病例としては次のようなものがあります。

もし、筋力低下や易疲労性の原因が以下に該当する場合はポストポリオとして認定されない可能性がありますのでご確認ください。

筋力低下を引き起こす疾患例

・絞扼性末梢神経障害
・多発性硬化症
・重症筋無力症
・パーキンソン病
・末梢神経障害
・神経根障害
・脊柱管狭窄症
・脊柱骨折、脊椎腫瘍、脊髄腫瘍
・筋萎縮性側索硬化症
・脊髄性筋萎縮症
・頸椎症性脊髄症
・腰椎症性脊髄根症
・変形性関節症
・廃用症候群
・脳血管障害

疲労を引き起こす疾患例

・悪性腫瘍
・慢性呼吸不全
・慢性感染症
・糖尿病
・うつ病
・心不全
・甲状腺疾患

 

ポストポリオの初診日

診断書を書いてもらえない理由障害年金の申請では初診日の証明がとても大切になります。

現在ではポストポリオの初診日は「ポストポリオ(PPS)について初めて医師の診療を受けた日」とされています。

つまり、厚生年金に加入して働いている時にポストポリオ(PPS)を発病し、初診がある場合は障害厚生年金となります。

年子先生
初診日については障害年金の初診日について詳しく解説します!をご覧ください。

ポストポリオ(PPS)の初診日をめぐる背景

従来は、ポストポリオ(PPS)の初診日は、幼少期にポリオで初めて医師の診断を受けた日とされていました。

この取り扱いをされてしまうと、数十年の長期間にわたり通常の社会生活を送り、厚生年金に加入していた時にポストポリオ(PPS)を発症した場合であっても障害厚生年金(1~3級)での認定は受けることが出来ず、障害基礎年金(1~2級)が支給されるという取り扱いでした。

このような取扱いを不服として「ポストポリオ(PPS)で初めて医師の診療を受けた日であるべき」と争われてきました。

その結果、社会保険庁は、ポリオとポストポリオは因果関係があるものの、この両者は別疾病としてとらえ、初診日についてはポストポリオで初めて医師の診断を受けた日としました。

参考資料

庁保険発第0217001号ポリオ後症候群に係る障害認定の取扱いについて
庁保発第0217001号ポリオ後症候群に係る障害認定について

 

ポストポリオの障害認定基準

ポストポリオ(PPS)による障害認定基準は以下のように定められています。

1級
身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
2級
身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
3級
身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの
年子先生
より詳細な肢体障害の認定基準はコチラをご確認ください。
腕(上肢)の障害認定基準
足(下肢)の障害認定基準

 

ポストポリオによる受給事例

過去に当事務所にて対応したポストポリオ(PPS)による障害年金の認定事例をご紹介します。

年金事務所で無理と言われた事例

~男性(61歳)~

病名 ポストポリオ(PPS)
状態 右足の麻痺
結果 申請した月の翌月から障害厚生年金受給(3級認定

詳しい経緯

ご相談者様は幼少の頃にポリオウイルスに感染し、幼少の頃より左足に軽度の麻痺がありました。
日常生活に大きな支障は無く、50代後半まで元気に仕事をし、休みの日には趣味の登山を楽しんでいました。
しかし、58歳頃より右足の筋力がみるみるうちに弱くなり、関節に痛みも感じる程になりました。
そこで病院へ行ったところポストポリオと診断されたということです。
その後、知人からの紹介で障害年金の事を知り、当事務所へ相談となり無事にポストポリオ(PPS)として障害厚生年金3級の認定となりました。

申請に注意した点

上述のとおり、ポストポリオ(PPS)として認定されるには4つの要件が重要になります。

つまりこれらを、診断書や病歴就労状況等申立書にて証明する必要があるということです。

ここでよくある勘違いとして「診断書は医師に任せれば大丈夫!」といった方が多くおられます。

しかし忘れないで頂きたいのは、医師は治療のプロであって診断書のプロではないということ。

ましてや10年以上前に出されたポストポリオ(PPS)の要件をご存知の医師はまれです!

今回のケースでは、ポストポリオ(PPS)として認定されるように、医師に対して「ご依頼者様のこれまでの経緯」とともに「診断書の注意点」をサポートさせて頂きました。

 

よくある質問

Q.ポリオに罹患したことはありますがポストポリオの要件を満たしません。この場合でも障害年金はもらえますか?

A.もらえる可能性があります。

もちろん、「ポリオ」も障害年金の対象となります。

しかし、初診日が数十年前ということで、申請が困難となる可能性もあります。
 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

ポストポリオ(PPS)による障害年金の受給に関しては今回お話しましたような細かい決め事があります。
そのため、本来であれば受給が出来るのに受給せずにすごされている方も多くいらっしゃいます。

障害年金は基準が複雑で、ときに曖昧に規定されている部分もありますので「アレッ!もしかして私も!?」という方は専門の社労士へご相談をオススメします。

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社会保険労務士 松岡由将

社会保険労務士 松岡由将

障害年金を専門としたコンサルタントを行っている。 誰もが無理と匙を投げた請求も数多く覆した実績を持つ。 ご相談者様に安心してもらえる手続きを心掛けている。 今は福祉、医療施設や特別支援学校の親御さんをに対して障害年金を広める活動も精力的に行っている。 相談件数:年間2000件超/請求実績:合計500件超
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