初診日の特定にあたっての注意点として相当因果関係の記事でも記載しておりましたが、相当因果関係が『有るもの・無いもの』の具体例を見てみましょう!
相当因果関係とは
まずは相当因果関係の意味をご説明いたします。
相当因果関係とは「Aの傷病又は負傷が無ければBの疾病は無かった」という関係をいいます。
たとえば「急性膵炎が無ければ慢性腎不全(糖尿病性腎症)も無かった」といった関係です。
相当因果関係は、障害年金を申請するにあたって重要な意味を持ちます。
ではなぜ相当因果関係がなぜ重要なのかをつぎからご説明いたします。
相当因果関係が重要な理由
(1) 相当因果関係により初診日が変わる
相当因果関係が有る・無しのいずれに評価されるかで初診日が変わります!
相当因果関係が有る | ⇒ 前の傷病を初診 |
相当因果関係が無い | ⇒ 後の傷病を初診 |
(2) 相当因果関係の判断
相当因果関係があるか否かの判断は個々のケースによります。
また勘違いしやすい点として、医学的に因果関係があるかと障害年金上の相当因果関係の概念は違います。
相当因果関係ありの具体例
以下のものは前の傷病が初診とされます。
前発傷病 | 後発傷病 |
---|---|
糖尿病 | 糖尿病性網膜症 |
糖尿病性腎症 | |
糖尿病性壊疸(神経障害、糖尿病性動脈閉塞症) | |
糸球体腎炎
(ネフローゼ含む) |
慢性腎不全 ※1 |
多発性のう胞腎 | |
慢性腎炎 | |
肝炎 | 肝硬変 |
結核 | 聴覚障害(化学療法の副作用) |
輸血の必要な手術 | 肝炎(術等による輸血により併発) |
ステロイド投薬が必要な傷病 | 大腿骨頭壊死(ステロイド投薬による副作用) |
事故による傷病 | 左記の傷病による精神障害 |
脳血管の傷病 | |
肺疾患 | 呼吸不全(肺疾患の手術ののち) |
転移性悪性新生物 (はじめてなった部分) |
転移性悪性新生物
(原発とされるものと組織上一致するまたは転移であることを確認ができたもの) |
※1 両者の期間が長いものであっても、相当因果関係ありとして取り扱う。
【注意点】相当因果関係は個々の状況により判断されるため、上記の具体例に当てはまる場合でも必ず相当因果関係が認められる訳ではありません。
相当因果関係なしの具体例
以下のものは後の傷病が初診とされます。
前発傷病 | 後発傷病 |
高血圧 | 脳出血 |
脳梗塞 | |
糖尿病 | 脳出血 |
脳梗塞 | |
近視 | 黄斑部変性 |
網膜剥離 | |
視神経萎縮 |
【注意点】相当因果関係は個々の状況により判断されるため、上記の具体例に当てはまる場合でも必ず相当因果関係が否定される訳ではありません。
まとめ
いかがでしたか?
相当因果関係とは障害年金制度特有の考え方のため、わかりにくく感じたかもしれません。
自分が「相当因果関係に当てはまるのかわからない」など、疑問がある場合はお気軽にお問い合わせください。
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