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平成31年4月11日/1型糖尿病年金打ち切り違法判決について

1型糖尿病による障害基礎年金の支給停止処分は違法!との判決がでました。

現在公開されている情報をもとに、当事務所の見解をご案内いたします。

※H31年4月13により、一部情報を変更しております。

※H31年4月25により、一部情報を追加しております。

 

【キャンペーン】1型糖尿病障害年金、再度の支給停止処分等に対する抗議

ビックリマーク

「1型糖尿病障害年金支給停止 再度の支給停止処分等に対する抗議」

現在、Chage.orgにて「1型糖尿病障害年金支給停止の再度支給停止処分等に対する抗議」キャンペーンが実施されています。

これは1型糖尿病による障害基礎年金の支給停止処分は違法!との判決が出たにも関わらず、判決の趣旨を汲むことなく、原告に対して「再度支給停止処分」などを行った厚生労働省への抗議キャンペーンです。

裁判の内容は、下記より詳しくご覧いただけますので、このキャンペーンにご賛同いただける方は、上記のリンクから『キャンペーンの参加』をお願いいたします。

みなさまのご協力をお願いいたします。

 

支給再開しない方針を決定。(H31年4月25日)

【1型糖尿病訴訟、国は患者9人全員に障害基礎年金の支給再開せず】/毎日新聞

先日、1型糖尿病による障害基礎年金の支給停止処分は違法との判決でましたが、厚生労働省は「控訴はせず、支給再開もしない」とする方針を決めたようです。

年子先生
簡単に説明すると下記のようになります。

違法とされたのは、行政手続法14条、8条1項です。

これは簡単にいうと「理由の説明が不十分!そこは違法だよ」ということです。

そのため、厚生労働省は「では違法判決を受け入れます。ただ支給は再開しない。違法にならないように”丁寧に説明”するからね!」

との方針を決めました。

 

署名につきまして

このたび厚生労働省が「控訴しない」方針を決定したため、控訴しないように求める署名については一旦掲載を停止いたします。

 

裁判のポイント

1型糖尿病で障害年金を受給していた方が支給停止となった問題ですが、支給停止理由は大きく分けて2つあります。

  1. H28年頃の基準変更をきっかけに支給停止
  2. H29年4月の認定機関一元化をきっかけに支給停止(※)

共通点としては、これまで「障害等級2級」に認定され1型糖尿病で障害年金を受給していた方々が、症状に変化が無いにも関わらず「障害等級3級」となり明確な理由の提示が無いまま「年金打ち切り」とされる事態となりました。

そして、平成31年4月11日、大阪地裁は「支給停止処分は違法である」との判決を下しました。

 

(※)H29年4月の認定機関一元化とは

H29年4月まで障害基礎年金の認定審査は、都道府県ごとに行っていました。

しかし同じ状態にあるにも関わらず、認定されたり不支給とされたりと地域差がありました。

そのためH29年4月より障害基礎年金の審査機関が「日本年金機構障害年金センター」に一元化されました。

 

支給停止処分は違法!の意味とは?

今回の支給停止「処分」は違法とされましたが、支給停止が「解除」されたわけではありません。(行政手続法14条8条1項違反)

なお現段階は、大阪地裁で違法判決が下されたのみで、今後、国が控訴する可能性があります。

つまり、すぐに国が判決どおりに支給停止を解除して年金支給を再開するとは限らないのです。

なお、今回の「処分」には2種類あります。

支給停止の処分障害年金の支給を停止されたままであったため、今回の裁判に至りました。
支給停止不解除の処分障害年金の支給を停止を受け、支給停止を解除するように請求した結果、やはり支給停止は解除しない!とされたため、今回の裁判に至りました。

 

支給停止とされた原告は受給再開となるのか?

これも直ちに支給が再開されるとも、また再開されないとも決まっていません。

現段階では「処分は違法」と大阪地裁が下しただけにとどまっているため、支給が再開されるかは、国が判決を受け入れたうえ、判決の趣旨を汲み取り支給再開を決定する必要があります。

 

原告以外の支給停止処分を受けた受給者はどうなるのか?

現段階では、原告の方の支給再開も決定には至っていません。また国が判決を受け入れたうえ、支給再開を決定したとしても原告のみにとどまる可能性も大いにあります。

今後、判決内容を受け入れたうえ、「支給停止が適正であったか」という根本的な部分を直さない限り、今回の判決をもって原告以外の方も自動的に支給再開となるわけではないのです。

ただ今回の判決には意義がある判決には違いなく、今後の国の対応を注視するようにしてください。

~追加~

H28年頃の基準変更をきっかけに支給停止となった方現段階では、支給停止のままである可能性が高い

(※)今回の裁判では「変更後の基準」は違法とされた訳ではないため、変更後の基準に該当しない場合は支給再開とならない可能性があります。

H29年4月の認定機関一元化をきっかけに支給停止となった方一部、支給が再開される可能性もあります。

【注】現段階ではまだ未確定です。

(※)国会答弁にて、当時の厚生労働大臣より以下のような発言がありました。

障害の状態が現在においても従前と変わらない場合には、集約前の前回の認定も認定医が医学的に総合判断したものであるということも踏まえて医学的な総合判断を行って等級判断を行っていく。

(引用:認定NPO法人DPI日本会議さまより)

このような発言から打ち切り前に審査に関わった認定医の判断を尊重し、再度判断し直す可能性がある旨を述べました。

 

1型糖尿病であれば必ず障害年金がもらえるようになるの?

※平成30年4月13日より、内容を一部変更しております。

今回、1型糖尿病で支給停止となった方の中には「認定基準の改定により等級が下がった」ため、支給停止になっている方がおられます。

ただ今回の裁判で「変更後の基準は違法」とされた訳ではありませんので、現段階では今までどおりの認定基準が用いられます。

つまり、1型糖尿病であれば必ず障害年金が受給できるわけではなく、受給するには現行の認定基準に該当する必要があります。

 

1型糖尿病では障害年金がもらえないの?

今回の裁判で重要なポイントとして「1型糖尿病」という病気の特徴が挙げられます。

障害年金では、大きく分けて「障害基礎年金」と「障害厚生年金」がありますが、それぞれ認定される等級に違いがあります。

  • 障害基礎年金…1級、2級
  • 障害厚生年金…1級、2級、3級

1型糖尿病の発症は、10代~20代に比較的多いとされており、必然的に初めて病院に行くのも同時期になります。そのため障害年金を受給するには「2級以上」に該当する必要があるのです。

現行の認定基準は、糖尿病で2級に該当するのは難しくなっており、3級にとどまるケースが増えてしまっています。事実、今回の原告の方々も等級3級となったために支給停止となっていました。

 

やっぱり1型糖尿病で障害年金を受給することはできないのか?というと、違います。

  • 初診日に厚生年金等に加入していた方は「3級以上」に該当すれば、障害年金を受給することが可能です。
  • 初診日が国民年金・未加入であった方も「2級以上」に該当すればもちろん受給できます。
  • 糖尿病による合併症がある場合、併合認定(2つ以上の傷病を併せて認定)により、2級以上に該当する可能性もあります。

 

まとめ

今回の裁判および判決には、大きな意義があります。

1型糖尿病で年金支給停止を受けた方や、今後同じ傷病で請求をする方にとって、今後の国の動きは非常に重要ですので皆さん注視して見守ってください。

最後に1型糖尿病で障害年金を受給できる可能性が高めるきっかけとなる裁判に携わった原告の皆さま、弁護団の皆さま、その他関係者の皆さまに感謝と敬意を表します。

 

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社会保険労務士 松岡由将

社会保険労務士 松岡由将

障害年金を専門としたコンサルタントを行っている。 誰もが無理と匙を投げた請求も数多く覆した実績を持つ。 ご相談者様に安心してもらえる手続きを心掛けている。 今は福祉、医療施設や特別支援学校の親御さんをに対して障害年金を広める活動も精力的に行っている。 相談件数:年間2000件超/請求実績:合計500件超
社会保険労務士 松岡由将

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