障害年に加給年金額が加算されるためには、生計維持(せいけいいじ)という条件が必要です。
加給年金とは?

生計維持ってなかなか聞きなれない言葉ですよね。

そこで今回は障害年金でいう生計維持とは何なのか?をわかりやすくご説明したいと思います。

生計維持とは?

生計維持とは障害年金にある用語の1つです。

生計維持を簡単に言うと「生活(家計)が同じ」関係にあることです。

■生計維持が認められると加算が付く!

障害年金を受けることができるようになった時、条件を満たすことで「+加算」が付きます。

主な加算の種類は以下のとおりです。

【種類】 説明
■子の加算
  • 18歳のお子さんがいる場合
  • 20歳の障害を持つお子さんがいる場合
■配偶者加算
  • 配偶者がいる場合(内縁を含む)

そして『加算がつく条件』が生計維持です。

 

生計維持の2つ要件

生計維持が認められるためには、主に2つの要件を満たす必要があります。

  • 一緒に住んでいる(同居)している
  • 加算対象となるお子さんや配偶者の収入が850万円未満(※1)

(※1)所得が655万5千円未満でもOKです。

 

生計維持を証明するための方法

加算をつけるには、子供や配偶者がいることが確認できなければなりません。

それでは障害年金制度ではどのように確認を取るのでしょうか?

■関係が確認できる書類を出そう!

親子関係や夫婦関係がしっかりと確認できる書類があればOKです。

主には下記のような書類が当てはまります。

  • 戸籍謄本
  • 住民票(世帯全員分)

(※)住民票には『続柄』が必ず必要です。

障害年金の申請時に上記の書類を提出することで、生計維持が認められます。

 

こんな場合、生計維持は認められるの?

不支給になった場合の対処法家族全員が一緒に住み、同じ世帯・戸籍にある場合、大変わかりやすく生計維持関係が確認できます。

一方、諸事情によって別々に住んでいたり、世帯を分けていることもあります。

では、生計維持が認められるか『いろんなケース』をみながら、チェックしていきましょう。

【1】別居している

お子さんやご夫婦で別々に住んでいる、ということもよくあります。

このような場合であっても、一定の条件を満たせば生計維持が認められます。

  • 仕送りをしている場合
  • 健康保険の扶養に入れている場合

経済的な支援があるとき等は、別居していても生計維持が認められます。

【2】同じ住所で住民票の世帯を分けている

事情があって、一緒に住んでいるものの世帯を分けていることがあります。

このような場合であっても問題なく生計維持が認められます。

ただし下記の書類が必要ですので、ご注意ください。

  • それぞれの住民票
  • 生計同一関係に関する申立書(※2)

(※2)一緒に住んでいることを申し立てる書類です。指定の様式があり、お近くの年金事務所・市区町村役場・インターネットなどで取得することが可能です。

【3】住民票の住所は違うが一緒に住んでいる

既に一緒に住んでいるが、住民票を移し忘れていたりすると、『居所』と『住民票の登録地』が違ってしまいます。

このようなケースでも生計維持が認められますが、下記のような書類が必要です。

  • それぞれの住民票
  • 生計同一関係に関する申立書(※2)

【4】内縁関係

一緒に住んでいるけれども、戸籍は別であるといったいわゆる「内縁関係」の場合も、生計維持が認められることがあります。

ただし生活・家計を一緒にしていることを証明する必要があり、主に下記のような書類が必要です。

  • 住民票(世帯全員分)
  • 生計同一関係に関する申立書(※2)

 

比較して理解!他の制度の生計維持とは?

皆さんご存じの健康保険の扶養でも、生計維持と同じような言葉があります。

健康保険の扶養に加入するためには「主として生計維持」という条件が必要です。

さらに、労災保険では「生計同じく」という条件により遺族補償年金を受けることができます。

  • 生計維持
  • 主として生計維持
  • 生計同じく

微妙な違いですがそれぞれの違いは何でしょうか?

【1】生計維持

夫婦共稼ぎであっても、配偶者の年収が850万円未満であれば認められます。

【2】主として生計維持

年収が130万円未満(60歳以上の方、又は障がい者は180万円未満)であれば、認められます。

【3】生計同じく

生計のほんの一部でも関わりがあれば、認められます。

他の制度にも同じような用語があり、混同しやすいため、しっかりと違いを理解しましょう!

 

まとめ

これまで生計維持について、詳しく説明してきましたが、いかがでしたでしょうか?

生計維持は、加算がつくための大切な条件です。

もし自分のケースは生計維持が認められるのかな?といった疑問・不安があるときは、迷わずぜひ私どもにご相談くださいね。

 

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