障害年金の申請には診断書など、お医者様に記載を頂かなければならない書類があります。

しかし時として、『どんなに嘆願してもお医者様が診断書を書いてくれない』という相談を受ける事があります。

どのようなケースでそのような事が発生するのでしょうか?

これまで当事務所にて受けた内容を元に、よくある原因と対処法をご案内します。

診断書を断られた原因

医師の知識不足

障害年金の制度について、よくご理解を頂いている医師は滅多にいないのが現状です。
しかし、そのような医師が何らかの理由で診断書の記載を断るというケースが多いのです。

・障害年金は入院している方が受けるもの
・あなたの病名では障害年金は対象外です

過去にクレームを受けた事がある

医師から話を聞いていると、障害年金が不支給になった際に以下のようなクレームを言われた事がある先生が多いとのことです。

・何故、認定されるように記載してくれなかったのだ?
・先生が診断書を間違った記載をしたのではないか?

医師も人間です。
よかれと思って診断書を記載したはずなのに、このようなクレームを言われると「もう書きたくない、、、」となる気も分かります。

このようなケースではまずは先生に安心して記載してもらえるよう交通整理から入ります。

対応事例

お医者様に根気良く記載依頼を行う

必要な場合には私も同行でお医者様に面談などを行い障害年金の必要性やご相談者様の状況を説明させて頂きます。

法律的な見解で言えば、医師法第十九条二項にて『患者から診断書の依頼が有った場合、医師には作成の義務がある』とされていますが、私は最初からこの法律を口にする事はありません!

何故かと言うと、障害年金の申請には『ご相談者様 × お医者様 × 社労士』の連携が重要と考えているからです。

そのような中で、もし上記のように『法律的にはこうだ!』と主張するとどうなるでしょうか?

恐らく
①火に油状態
②書いてもらえたが内容が不十分(お金の無駄)

という結果が想定されます。

管轄の保険所に相談する

内容証明にて診断書の依頼を行う

内容証明とは「いつ、誰から誰に、どのような内容を送付したか」を郵便局が証明する郵送方法です。

この内容証明を送付したからといって法律的な強制力はありませんが、医師に対して「私はこれだけ本気です!」と伝えることができ、記載につながったという事例があります。

医療機関の変更を検討する

どうやっても首を縦に振って貰えない場合には医療機関の変更をお勧めしています。

主治医を変更した場合、新しい主治医が病状を把握するまでには時間がかかり、すぐに診断書を書いて貰えない事も多いです。

しかし、延々と診断書の作成を拒む医師にお願いをするよりも事は進展する可能性が高いと考えています。

事実、当初の予定よりは時間が掛かってしまいますが、主治医の変更により『満足な診断書が取得できた』『受給に繋がった』といった、喜びの声を頂いております。

ただし、初診の証明となる受診状況等証明書や、障害年金の遡り受給に必要な診断書については当時の主治医の記載が必要となりますので、この方法は使えないものとなります。