事例1
対象者の基本データ
病名 | うつ病 |
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年齢 | 30歳後半 |
性別 | 男性 |
障害の状態 | 不眠、食欲不振、不安感、抑うつ状態、体重の減少が起こり、家事や入浴、食事などが自分でできなくなり、家族のサポートがなければ、日常生活が送れなくなった。 |
申請結果 | 過去3年にさかのぼって、障害年金の支給が認められた(2級認定)</ |
うつ病の発病の経緯
発病の経緯
この対象者は、家族からの執拗な嫌がらせを受け、除々に精神的に不安定になる。
更に、引っ越しによる環境の変化に対応できずに、症状が悪化。
自殺願望が現れはじめ、ついには、リストカットを行う。
不安感、倦怠感、食欲不振、体重の減少などの症状から、家事や入浴などの日常生活が家族のサポートなしではできなくなる。
手続き内容
この対象者は、初診日の病院がすでに存在しておらず、初診日の特定が困難な状態にあった。
しかし、よくよく調べてみると、実は初診日の病院は廃院はしておらず、病院合併によりなくなったことが判明した。
幸いなことに、対象者のカルテがまだ残っていたため、初診日を証明してもらうことに成功した。
障害等級は2級で、障害認定日からの請求で、さかのぼって3年分の障害年金が支給された。
事例2
対象者の基本データ
病名 | そううつ病 |
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年齢 | 38歳 |
性別 | 女性 |
障害の状態 | ○そう状態のときは、気分の高揚感や自信過剰になり、軽い気持ちで借金などを繰り返してしまう。 ○うつ状態になると、食欲不振、不眠、倦怠感、自殺願望などがある。 ○一定の周期で「そう」と「うつ」を繰り返す。 ○うつ状態のときは、倦怠感や無気力感から、簡単な家事、入浴、食事などの日常生活が家族の援助なしでは困難な状態。 |
申請結果 | 2年前にさかのぼって、障害年金の申請が認められた(2級認定) |
そううつ病の発病の経緯
発病の経緯
対象者の女性はもともと、人づき合いがよく、社交的な性格だったが、その反面、落ち込みやすく、周囲に同調的な性格であった。
30歳のとき、結婚・妊娠を機に、やりがいのあったデザイナー事務所を退職し、専業主婦になったが、家事と子育てのストレス、仕事への未練から、除々に精神が不安定になっていった。
35歳のとき、食欲不振、不眠、倦怠感をうったえ始めたため、内科を受診。
もらった薬を服用したが、変化はなかった。
その後、食欲不振、不眠、倦怠感に加え、不安感から自殺未遂をするようになる。
その反面、異常な自信から、金銭感覚が狂い、いろんな場所から借金を繰り返すようになる。
うつ状態のときには無気力感から、食事、入浴、家事がなどの日常生活が困難となる。
36歳のときにメンタルクリニックを受診し、そううつ病が発覚する。
事例3
対象者の基本データ
病名 | 統合失調症 |
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年齢 | 28歳 |
性別 | 男性 |
障害の状態 | ○妄想、幻覚、支離滅裂な会話 ○騒いだり、独りごとを言う ○相手の会話が理解できないためコミュニケーションがとれない ○意欲低下により、自分のことが自分でできない ○労働することができない |
申請結果 | 申請した月から障害年金を受給(2級認定) |
統合失調症の発病の経緯
発病の経緯
23歳のときに一般企業に就職し、会社員として働いたが、「自分のまわりが騒がしい。なにか変だ。」などと訴えはじめる。
会社の会議でも、複数の相手の会話の内容が理解できず、対人関係が苦手になり、うまく仕事をこなせなくなってくる。
その後、抑うつ気分・思考力・記憶力の低下・不眠などが現れはじめ、会社に行くことができなくなる。同時に「誰かに見られている」などの被害妄想の症状なども出てくるようになり、恐怖心から、外にまったく出なくなる。
また、会話も支離滅裂で、まったくかみ合わず、コミュニケーションも取れなくなる。
意欲が低下し、食事、入浴、掃除などは家族の援助がなければできない状態になる。
26歳のときに心療内科を受診し、統合失調症と診断される。
事例4
対象者の基本データ
病名 | 強迫性障害 |
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年齢 | 33歳 |
性別 | 男性 |
障害の状態 | 強迫観念(加害恐怖、不潔恐怖、疾病恐怖)、強迫行為(確認行為、儀式行為)、対人場面での緊張、被害者関係念慮があり、他者との交流や意思疎通が極めて制限されており、身内との生活にも支障をきたしている |
申請結果 | 事後重症請求により障害年金の支給が認められた(2級認定)</ |
強迫性障害の発病の経緯
発病の経緯
もともと子どもの頃より対人場面における緊張が強く、不安状況を回避していた。
20歳の時に一般企業に就職し働いていたが24歳頃から何事をするにも何度も確認を行うという強迫症状が出現した。
仕事だけでなく生活にも支障をきたしていた為、知人の勧めで心療内科を受診したところ強迫性障害であると診断をうけた。
その後、強迫症状から退職を余儀なくされ、その後は職に就く事なく現在まで通院治療を行っている。
気分の不安定さ、抑うつ、希死念慮などを認め、時に多量服薬をする事があり、この2年間に3回程度の入院を行っている。