過去には血友病は20歳まで生きられない病気と言われていましたが医療の発達により健常者とほとんど変わらない寿命を全うすることが可能となりました。
見た目には周りから障害とわからない血友病ですが、日常生活は大きな制限を受けるものとなります。
この血友病も障害年金の受給対象となります!
血友病の特徴と障害年金の受給ポイントについてわかりやすく説明していきます!
血友病とは?
血友病とは、血液を固めるタンパク質(血液凝固因子)が少ないため、血液が固まりにくい病気をいいます。
出血した際には血が止まりにくい為、小さな傷などでも大出血につながる可能性があるのが特徴です。
遺伝による発症といわれており、その発症は男性に多く1万人あたり約1人程度の割合で発症するといわれています。
血友病の種類は?
血友病には3つの種類があり、全体的にみると血友病Aの方が重症者の割合が多いようです。
重症 | 中等症 | 軽症 | |
---|---|---|---|
血友病A | 65% | 17% | 18% |
血友病B | 54% | 25% | 21% |
※(2010年エイズ予防財団「血液凝固異常症全国調査」より)
血友病A
先天的に血液凝固因子Ⅷが欠乏、または機能低下している病気です。
血友病B
先天的に血液凝固因子Ⅸが欠乏、または機能低下している病気です。
後天性血友病
血友病ABとは異なり後天性の発病となります。
血液凝固因子は正常ですが、後天的に血液凝固因子への自己抗体が生産され、血液が固まりにくくなる病気です。
2017年4月より厚生労働省の定める難病として後天性血友病Aも「自己免疫性後天性凝固因子欠乏症」という病名で、指定されました。
血友病の障害認定基準とは?
血友病による障害年金の認定基準は複雑です。
A表、B表、一般状態区分表のそれぞれの状態により審査される事となります。
1級 | 以下の全てに該当する場合 □A表:Ⅰ欄に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見がある □B表:Ⅰ欄に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見がある □一般状態区分表:オに該当するもの |
---|---|
2級 | 以下の全てに該当する場合 □A表:Ⅱ欄に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見がある □B表:Ⅱ欄に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見がある □一般状態区分表:エ又はウに該当するもの |
3級 | 以下の全てに該当する場合 □A表:Ⅲ欄に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見がある □B表:Ⅲ欄に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見がある □一般状態区分表:ウ又はイに該当するもの |
A表
区分 | 臨床所見 |
Ⅰ | 1 高度の出血傾向又は関節症状のあるもの 2 凝固因子製剤をひんぱんに輸注しているもの |
Ⅱ | 1 中度の出血傾向又は関節症状のあるもの 2 凝固因子製剤を時々輸注しているもの |
Ⅲ | 1 軽度の出血傾向又は関節症状のあるもの 2 凝固因子製剤を必要に応じ輸注しているもの |
B表
区分 | 臨床所見 |
Ⅰ | 1 出血時間(デューク法)が10分以上のもの 2 APTTが基準値の3倍以上のもの 3 血小板数が2万/μl未満のもの |
Ⅱ | 1 出血時間(デューク法)が8分以上10分未満のもの 2 APTTが基準値の2倍以上3倍未満のもの 3 血小板数が2万/μl以上5万/μl未満のもの |
Ⅲ | 1 出血時間(デューク法)が6分以上8分未満のもの 2 APTTが基準値の1.5倍以上2倍未満のもの 3 血小板数が5万/μl以上10万/μl未満のもの |
一般状態区分表
ア | 無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく、発病前と同等にふるまえるもの |
イ | 軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの 例えば、軽い家事、事務など |
ウ | 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの |
エ | 身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの |
オ | 身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの |
よくある質問
当事務所に寄せられる血友病に関する、よくある質問をご紹介します。
Q.検査の数値はその時々で変化します。どの数値を診断書に記載してもらえばいいですか?
A.検査成績の変動は、病気の性質上当然のものです。
最も適切に病状をあらわしていると思われる検査成績を主治医に記載していただいてください。
Q.20歳前後3カ月のカルテが破棄されています。遡りはできませんか?
A.血友病のような不変性の疾患の場合、その特徴を根拠に遡りの可能性があります。
しかし一発(裁定請求)で認定されるのは難しい事が想定されます。
不服申立てを視野に入れた書類作成が重要になってきます。
障害年金の申請の流れ
障害年金を申請するには、多くの作業があります。
大きな流れとしては以下のとおりです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
血友病は病気の特徴から発病率が低く、障害年金の情報を得ることが難しいかもしれません。
そのため、本来は障害年金を受給することが出来るのに知らずに受けていないというケースも多く見受けられます。
いくつかの条件がそろえば、過去に遡って受給できる可能性もあります。
血友病による障害年金のポイントは諦めない事!!!
分からない事や不安があれば専門家への相談をお勧めします!
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